”My name is Ikuzo from Japan”

- それ以外の英語は話せません -

俺の上は一生晴れとけ。

台湾に着いたのは2週間くらい前のこと。

あの時、俺をタイから飛行機で飛ばしてくれたナオちゃんとは到着した台北で一旦別れた。

それから俺は10日間ほど台北で歌い、4日ほど前にナオちゃんのいる台南へと降りてきたばかりだ。


高速バスで4時間。
台南に着いて早速ナオちゃんが泊まっている宿へ行き、ほぼ全財産をはたいて一週間分の宿代を払った。

のだが、台湾へ着いて3日目あたりに気付いた衝撃の事実が「現在、雨期。」


台北では地下道が多く、警備員に止められながらもなんとかなっていた。

なので、群馬のパイレーツオブアツシクンから地下道があると聞いていた台南をすっかり安心していたんだけれど、ほぼノーマネーフィニッシュの毎日。

顔にウンコでもついてのかな俺。



今朝、目を覚ますとナオちゃんの荷物が無くなっていた。

これから台湾を一周すると言っていたので、もしまた会うとすれば一周を終えた頃になるのかな。

「お金はいつでもいいから」
むしろ呆れた顔で何度もそう言ってくれた。

できることならナオちゃんが台湾にいるうちに返したい、というか楽勝でそうできると確信していた。

でもやっぱり俺の顔にはウンコでもついてのかな。



やってきた駅前の地下道には他のバスカーさんがいたため、バスに乗って夜市へ向かった。

[武聖夜市]というところ、水曜日と土曜日限定で空き地に200以上の屋台が並び、それなりに繁盛していると宿のオーナーから教えてもらった。

今日は水曜日、最近は不完全熱唱だったからここらでドカンとやりたい。

そんな思いで向かったのだけれど.....


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現在、雨期。

雨は止む気配いなく、人影どころか出店すらない夜市を諦めて別の場所を探しに歩いた。

しかし俺のすぐ後ろを黒い雲がついてくる。

スコールが来ては雨宿りして、腹が減っては路上前に珍しくビールをあおった。

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そうして結局夜も遅くなり、何もできないまま宿へと帰ってウンコを拭いた。

冗談は顔だけにしろ、そんな1日だった。

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