”My name is Ikuzo from Japan”

- それ以外の英語は話せません -

成り行きか、世界一周か。

この宿に住み込みのお手伝いをしながら中国語の勉強をしている日本人の女の子がいる。

話しを聞けばとても面白くて、沖縄のナントカっていう人口700人くらいの小さな島に1年住んでいたんだと。

きっかけは知り合いがその島でゲストハウスを開くと聞いて、一度遊びに訪れたまま、気が付けばそこで住み込みのバイトをはじめて1年経っちゃったそうで。

700人しかいない島には、当然そこにあるものは限られる。

週末は船で那覇へと渡り、必要なものはそこで買い揃え、二つの暮らしを行き来できて楽しかったと笑顔で話す。

「んー、ただの成り行きです。いいとこでしたよー。」



外は雨。
久しぶりにトロイからメールがきていた。

8月10日にトミーエマニュエルのコンサートがオーストラリアであるから一緒に行こうぜと。


[トミー・エマニュエル]ってのはただのやばいギタリストで、俺がまだギターを探していた頃にたまたまユーチューブで知った。

神、なんてタイトルくれてあったからどんなもんかと見てしまい、しばらく現実に帰って仕事に打ち込んだことを思い出す。

トミーはまだ素人が見ちゃいけない領域だった。

そんなトミーパイセンを俺なんか以上にリスペクトしているトロイとは、ホーチミンの安宿で毎晩トミーを聴きながらギターを弾いて遊んだ。


「いつか一緒にトミーのライブを見に行こう!」

こんなのはただの口約束、でもここで出会い仲間になった証として、確か俺からそんなことを言ったっけか。


うほ、また悩んでしまう。
俺いつまで同じところをうろちょろしてるんだろう。

まだまだ行きたいところはたくさんあるのに。


オーストラリアは最高におもろいし、もちろんトロイとライブにも行きたい。

でもそうなれば俺はまた戻るのか。
いや、というかどうして戻るになるんだろうか。

宿で話した女の子の夢が「世界一周」と聞いて、複雑な気持ちになった。


「俺はもうチケットを持ってる。オペラハウスでトミーと待ってるぜブロー。」

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成り行きか、世界一周か。

くっつけて、成り行き一周か。

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今日は地下道で500元 (2000円) 稼げた。
アリガト!!