”My name is Ikuzo from Japan”

- それ以外の英語は話せません -

バックパッカーの聖地へ。

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列車は朝の9時にバンコクへと到着した。


しかし俺が乗っていた213バーツの車両には寺優先という流れがあるのか、寺に何度も起こされ立たされたので体はかなり参っている。

でもそれ以上に、これまで一度も稼げなかった街を歩いている方がよっぽど足にくる。


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バックパッカーの聖地とも呼ばれるカオサンへと数十円のバスに乗ってやってきた。

もうバンコクはこれでもかというぐらい歩き回った街だ。

バスに乗って探しにいけば必ずどこかにイイ路上場所はあるはずだけれど、言ってもここはバックパッカーの聖地。

少なくとも顔は覚えてもらえるだろう、それぐらいの気持で路上をはじめた。


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カオサンは0時からといっても間違いではないだろう。

昼間は陽が強すぎるのか、ほとんど人の歩いていないカオサンロードも夜になれば毎日これだ。

会話をしたければ耳に舌を入れろとでも言いたいのか、そこら中に設置された巨大スピーカーから混ざり合った爆音がドツドツと心臓を打つ。


素晴らしいぐらい場違いなアコースティック、それでも俺を見ている人にはたぶん聞こえているはずだ。


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サックス吹きの青い目をしたニコが「一緒にやろうぜ」と現れた。

明日になれば間違いなく俺のことを忘れているだろうけれど、この泥酔ヒッピーとのセッションが最高に楽しかった。


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ギターを片付けたのは朝の4時、稼ぎは200バーツ (700円) だった。

ここはじゅんいちダビッドソンの言葉を借りて「伸びしろですね。」


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