”My name is Ikuzo from Japan”

- それ以外の英語は話せません -

Are you ok? I'm ok.

今日宿をチェックアウトするので12時までには荷物をまとめて路上へ行く予定だ。

しかし4時に起きたので目を見開いたまま夕日を眺めていた。

宿のオーナーに正直にお金がなくて連泊できないけどまたここに泊まりたいから荷物置いて歌ってきていいですか?って聞いたらまたかよって言われた。



必死に歌った。

宿の目の前の公園の街灯の下、夜でもいけちゃうように。
するとこれまでの反応が嘘のように人が集まって写真を撮ってくれた。

お金もブリブリはいる。
たったの6曲で2000円にもなった。



いや、速攻やめるよね。

食い気味のソーリで2秒で片付け猛烈なスピードで走り去ったのは俺がゴミ野郎だからではなく、トロイが来たからだ。

今日で俺はトロイとさよならする。
すでにハノイで台湾行きの航空券を手に入れていたからだ。

最後の夜である今日も本当は10時過ぎに会う予定だったが、ありがたいことにものの30分もしないうちに今日の生活費を手に入れてしまった。



ワッツアップ開始。

トロイが好きなトミーエマニュエルのサウンドをiPadから放つと、イチゴみたいな顔色になって興奮しだすトロイにマジつぼってF♯m押さえたままベッドから落ちてトロイを見たら完熟してた。



ワッツアップは止まらない。

音聞きに行こうよとバーへ言ってビール乾杯して瓶をくわえて持ち上げてる時に目があって二人ともつぼってDJ見たらはげてる。



ワッツアップ中断。

二人とも顎外れそうになりながらそれぞれの宿の分岐点で立ち止まった。

俺はトロイに言いたいことがあった。

はじめて英語で友達ができたよと。


僕はそうは思わない、たくさんいるだろうとトロイは言った。

いや俺が言ってるんだからそうだよと、日本語で言い返した。


宿に着いて、これから俺は寝る。

明日ここから近くのバス停へ行き、25円のバス代を払って空港へ行かんといけん。
なのでチェックアウトへの警戒心が今から半端ない。

てかなんでどこの宿も昼なんだろう、俺昼に起きる人なのに。


トロイにメールを送った。
「次のワッツアップはメルボルンで一緒にストリートライブをしよう。」


Are you ok? I'm ok.

[440日目]ホーチミン ベトナム